土井啓輔(尺八) ゲスト 木下伸市(津軽三味線)
 ライブ眞音(MANE)
2000年12月5日(火)
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ロック界の永遠の不良少年キース・リチャードは、あるインタビューで、あなたはいつもロックを聴いているのかという質問に対して「朝一日の始まり聴くのはやっぱりモーツァルトがいいね」と答えていたのを読んだことがある。It's only rock'n rollのキースが、意外にもジャンルにこだわらず音楽を縦横無尽に楽しんでいるのだ。きっと深夜にはビル・エバンスの闇に流れこむようなピアノの音色に耳を傾けているに違いない。邦楽マニアというものが存在するかどうかは知らないが、偏執的なロックマニア、ジャズマニア、クラシックマニアは少なくない。鑑賞者にマニアは許せる。しかし演奏家はありとあらゆる音楽に惹かれるべきである。音楽は無限を創造する。音楽家たるものその無限へ向かって一歩でも進んでいかなくてはならない。古今東西の音を自分の演奏にどう展開するか、それは各々の自由である。肝心なのは、喜びと解放へ通ずるものが音楽だという無意識下の意識だ。たとえ悲嘆の楽曲であってもそれは不変である。土井啓輔は、異なったジャンルの演奏家との共演ライブに積極的だ。そこには奇をてらったものや中途半端な実験はない。ごくごく自然に尺八を持ち、共演者とともに音楽という時空に自らの音を飛翔させる。この夜の土井啓輔の演奏も喜びと解放の領域を縦横無尽に飛んでいた。(鬼楽)

 
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